-- CHデュエットオカリナ --

CHデュエットオカリナ、概説

この章ではCHデュエットオカリナの扱い方について説明します。

» CHデュエットオカリナを吹いてみました。

北米のチャーリー・ハインド(C・H)氏が製作しているデュエットオカリナです。彼は木工職人で、あのふつうの陶器のオカリナを木を削って作ったりしています。というか、その木で作ったふつうのオカリナこそがメインの製品で、変わりものラインナップとしてデュエットオカリナも製作している、といったところです。

基本性能の優れたデュエットオカリナだと思うのですが…特に話題がありません。YouTubeを探しても本人が投函した動画がいくつか見つかる程度です。残念な状況です。とはいえそれは、どこの工房のデュエットオカリナにしても似たような境遇です。デュエットオカリナって意外に知られていません。今スタートすれば世界を獲れます。

日本では2011年始からちらほら市場に出回るようになりました。今ではけっこうな人気で、商品が入荷する端からなくなっていきます。いつもだいたい一ヶ月の予約待ちです(2012/11/18現在)

仕様

  • 指穴の数: 左5穴、右5穴
  • 音域: 左1オクターブ、右1オクターブ
  • キー: 左C管、右F管(右の方が低音です)
  • サイズ: 17.5cm×6.0cm×3.5cm
  • 重量: 114g
  • 材質: 木(種類、木目調は工房まかせです)
  • 付属品: 布ケース、簡単なパンフレット(英語)

所感

数値的なスペックはNCWデュエットオカリナよりも高いです。音域はファソラシドレミファソラシド。1音だけですが、NCWデュエットオカリナよりも音域が広いです。

8つの音ドレミファソラシドを5つの指穴で表現します。オクターブは近似値ですが…4穴のNCWデュエットオカリナよりはチューニングが正確です。

音色はNCWデュエットオカリナよりも、もうすこしふつうのオカリナに近い音色です。ふつうのオカリナの音色にこだわる人は、こちらのCHデュエットオカリナの方が性に合うかもしれません。

指穴が小さいので、きちんと指で押さえているかどうかよく感じとれません。吹口が大きいので、がっぷりくわえて吹かないとシューシュー空気漏れの音がします。

比較的に速い運指を要求される高音のメロディー管を左手側に配置して、ゆっくり演奏してよい低音の伴奏管を右手側に配置しています。これは右利きとしては少々辛い。

指穴が小さくて押さえづらいとか、メロディー管が左手側にあるとか。どうでもいい些細な話です。人間の順応力はすごいので、慣れてしまえばどうということはありません。
私は慣れました、そりゃもう自由自在。

CHデュエットオカリナ、鳴らし方

持ち方や唇の当て方など、鳴らし方について説明します。
※ ここの話はCHデュエットオカリナ向けの内容です。

姿勢について

何事も姿勢は正しく、です。
立っても座ってもいいですから、背筋をまっすぐ伸ばしてください。背中がまるくなっていると肺や内蔵を圧迫してしまって、息を素早くたくさん吸いこめなくなります。息を吐くときも、腹筋に無理がかかって、音がふらふらしたりします。背筋はまっすぐ伸ばしてください。

持ち方

CHデュエットオカリナは次のように持ちます。

  1. CHデュエットオカリナの吹口に唇を当てます。
  2. 指穴が8つ開いている側が表です。眼で見える側です。
  3. 右側の4つの指穴を右手の人差指、中指、薬指、小指でふさぎます。
  4. 左側の4つの指穴を左手の人差指、中指、薬指、小指でふさぎます。
  5. 裏側にも指穴が2つあるので、両手の親指でそれぞれふさぎます。

唇の当て方

息が漏れないように、CHデュエットオカリナの吹口をガップリくわえます。
CHデュエットオカリナはハーモニカのように左右にスライドさせながら演奏することがあります(片方の音だけ鳴らしたりします)。だからほんとうは、ガップリくわえてしまうと具合がわるいのですが。吹口から息が漏れていると、はっきりシューシューした音になります。仕方がないので息が漏れないようにガップリくわえます。片方だけ鳴らすときは、オカリナを傾けてくわえます。

噛みつくとオカリナに歯形が付きます。唇だけでくわえてください。

吹けばとりあえず鳴るけれど

CHデュエットオカリナには吹口が2つありますが、最初のうちは一つだけ音を出すようにします。つまりふつうのオカリナとして練習するということです。ここでは左側半分だけ吹きます。吹口から息が漏れないように左側の吹口だけ、器用にガップリくわえてください。

オカリナは吹けば鳴る笛ですから、とにかくぷーっと吹いてみてください。吹きながら指穴をあけたりふさいだりしてもいいですよ、どうでしょう。

「こんなの簡単っ」と喜んだ人もいるでしょうし、逆に「えーなんだかつまんない音…」とすこしがっかりした人もいるかもしれません。

CHデュエットオカリナは、オカリナのグレードでいえば中程度でしょうか。
最高グレードのオカリナであれば、誰がどのように吹いてもすばらしくきれいな音色で鳴ります。しかしこのグレードだと、きれいな音・気持ちよく聴ける音で演奏するためにはちょっとコツがいるというか、いくらか練習が必要です。

付け刃でとりあえずきれいっぽい音を出す方法について 『オカリナの基本』 の章で説明しています。そちらを参考にしてください。

CHデュエットオカリナ、運指1

運指について説明します。
※ ここの話はCHデュエットオカリナ向けの内容です。

運指表の見方

CHデュエットオカリナの運指は以下のような図で表します。
これはオカリナを持って鏡の前に立ったときの、鏡に映ったオカリナを表しています。

  • 向かって右側が右手の指穴
  • 向かって左側が左手の指穴
  • オカリナの両端にあるのが裏側の親指の穴

黒丸は指穴をふさぎます、白丸は指穴をあけます。
それとCHデュエットオカリナは同時に二つの音を出せますが、いつも二つの音を出すわけではありません。片側だけ吹く場合もあります。片側だけ吹く場合は、吹かない側の指穴を書きません。

次はこの運指表を使ってドレミファソラシドを説明します。

CHデュエットオカリナ、運指2

ドレミファソラシドの運指です。
※ ここの話はCHデュエットオカリナ向けの内容です。

ドレミファソラシドの運指

CHデュエットオカリナのドレミファソラシドの運指です。
ドレミファソラシドは左手だけで演奏します。右手側は使いません、左側の吹口だけ吹いてください。指穴はパッ開けてパッと塞ぐようにしてください、中途半端だと変な音がします。一つ一つの音をきちんと区切るとハキハキしたきれいな音になります。

» CHデュエットオカリナの左手でドレミファソラシド

5穴オカリナの運指は覚えにくい

どうでしょうか。ふつうのオカリナやリコーダーと比べて運指が覚えにくいと思ったかもしれません。5つしかない指穴の組みあわせで8つの音を出すのですから、それは仕方ないことです。(そのおかげで片手だけで1オクターブ演奏できるんですけど。)

これは…長く吹いていればそのうち必ず覚えます、信じてください。
たかだか8種類のパターンでしょう、九九を覚えるよりずっと簡単なはずですよ。

しいて言えば、よく使う音から覚えるといいです。

  1. まずドとソの音を覚える
  2. 次にラの音を覚える。「ラの音は”ソより高い音”」と覚える
  3. それからミとレの音を覚える。「ミとレの音は”ソより低い音”」と覚える
  4. 最後に「”残り”がファとシの音」と覚える

ぜんぶの指穴をあけるときは

CHデュエットオカリナの使い方からして、両手ぜんぶの指穴をあけるというケースはすくないのですが。ぜんぶの指穴をあけるときは、右手の小指でオカリナを支えます。両手放しになった瞬間にあわてて支えるのではなく、そろそろ両手放しになる…あたりで、前もって小指で支えておくのがよいです。

あるいは親指の指穴をあけるとき、オカリナから指を離すように指穴を開けるのではなく、指を横にスライドするようにして指穴をあけます。そうすると指穴はあいていますが、親指はずっとオカリナを支えたままです。

CHデュエットオカリナ、運指3

左右両手の運指を覚えると音域がすこし広く使えます。
※ ここの話はCHデュエットオカリナ向けの内容です。

右手側の運指

右手側の運指です。動きは左手側とちょっと違います。

» CHデュエットオカリナの右手でファソラシドレミファ

両手でファソラシドレミファソラシド

左右のオカリナを切りかえながら吹くとファソラシドレミファソラシドと、1オクターブよりもすこしだけ広い音域が使えるようになります。これがCHデュエットオカリナの基本の音階です。

» CHデュエットオカリナの両手でファソラシドレミファソラシド

左右のオカリナの切りかえはキビキビぱっぱと行ってください。

CHデュエットオカリナ、運指4

CHデュエットオカリナ、運指4

よく使う別の音階があります。
※ ここの話はCHデュエットオカリナ向けの内容です。

ドレミファソラシドレミファソ

CHデュエットオカリナの基本の音階はファソラシドレミファソラシドですが、もう一つ音階が使えます。

» CHデュエットオカリナの両手でドレミファソラシドレミファソ

CHデュエットオカリナで曲を吹くときは、これら2つの音階のうちどちらかに当てはめて演奏することになります。曲の音域が広すぎてオカリナの音階に収まらないときは…その曲は吹けません。もう少し音数が多いとうれしいのですけれど…

CHデュエットオカリナ向けの説明はこれで終わり

これでCHデュエットオカリナ向けの説明は終わりです。
あと、基本的な演奏方法から一人合奏する方法まで一とおり目をとおして、CHデュエットオカリナ演奏を楽しんでいただければ幸いです。