-- 曲を覚える --

デュエットオカリナの吹き方、曲を覚える1

まずは知っている曲をメロディーだけ吹いてみましょう。
※ ここの話はすべてのデュエットオカリナで共通です。

ふうつのオカリナとして吹く

デュエットオカリナは和音を鳴らせるオカリナです。だからといっていきなり一人合奏にチャレンジするのはハードルが高い。さいしょはふつうのオカリナのように、メロディーだけ吹いてみましょう。伴奏はつけません。デュエットオカリナの吹口は二つありますが、一度に一つだけ吹くことにします。

知っている曲を演奏しよう

いちばん易しいのは、既に知っている曲や歌える曲をデュエットオカリナで演奏することです。曲を新しく覚える必要がありませんから、かなり楽です。デュエットオカリナでドレミをきちんと吹くことができますか。だったら後は、知っている曲を「ソーラソミレドドーーラーー」とドレミで歌うことができれば、デュエットオカリナで演奏できるはずなのです。

楽譜はあった方がいい

いくら知っている曲といってもいざドレミで歌おうとすると、いったいどこがドの音でレの音なのか、なかなか分からないものです。だから知っている曲でも楽譜があった方が楽に演奏を覚えることができます。楽譜を見て歌いながら、音符にひとつずつドレミを書き込んでいけばいいです。

次から、知っている曲について楽譜を見ながら演奏を覚える方法を説明します。

デュエットオカリナの吹き方、曲を覚える2

知っている曲の楽譜を用意しましょう。
※ ここの話はすべてのデュエットオカリナで共通です。

知っている曲の楽譜を用意すること

これから楽譜を見ながらデュエットオカリナの演奏を覚えていくわけですが。まったく知らないはじめての曲を楽譜を見ながら覚えるのはものすごく難しいです。無理です。だから用意する楽譜は知っている曲であること、そらで歌える曲であることが前提です。

よく知らない曲、うろ覚えの曲を覚えたいなら、街の楽器店で楽譜を買うときに、いっしょにCDも買ってください。そして先にCDを聞いて曲を覚えます。これはカラオケの曲を覚える要領と同じです。しつこいようですが知らない曲を楽譜で覚えるのは無理です。CDは買うべきです。ここでヘンにケチると、なにもかも投げだすことになって大損しますよ。お金は賢く使いましょう。

あるいは今なら、YouTubeやニコニコ動画にたくさんの音楽がアップロードされています。それを見て曲を覚えてもいいですね。これならまったく無料ですよ。それを言うなら楽譜だって、インターネットをしつこく探せば無料の楽譜がけっこう見つかるものです。別にお金をかけなければならない、ということでもないのです。

吹けない曲もある

デュエットオカリナの音域はかなり狭いです。ふつうのオカリナで吹ける曲が、デュエットオカリナでは音数が足りなくて吹けないこともあります。そういう意味では、楽譜はお金を出して買うより、インターネットで無料の楽譜を探しだした方が安全かもしれません。

文部省唱歌、童謡、日本民謡、世界民謡、昭和時代のフォークソングなどであれば、無料の楽譜を見つけやすいでしょう。逆に最新の流行歌の楽譜は入手不可能です、著作権に引っかかるので。そもそもそんな難しい曲はデュエットオカリナでは吹けません…

デュエットオカリナの吹き方、曲を覚える3

楽譜にドレミを書きこんでいきましょう。
※ ここの話はすべてのデュエットオカリナで共通です。

楽譜にドレミを書きこむ

知っている曲の楽譜を見ながら、音符の下に一つずつドレミを書きこんでいきます。デュエットオカリナの音階ドレミは分かっていますから、ぜんぶの音符にドレミを書きこんでしまえば、曲を覚えて演奏することができます。

まがりなりにも楽譜を読むのですから、小学校で習う程度の音楽の知識がほしいところです。でも知っている曲ですから、歌いながら作業すればなんとかなるものです。

ドレミの位置を上下にずらして書く

ここで重要な注意があります。
楽譜の五線の左端に b や # がついていることがあります。これらの個数によって、ドレミの位置を上下にずらして書いてください。五線の左端にある b と # の個数を数えて、下の表を参考にしてドレミを書いていけばいいです。

先頭に # がついている楽譜のドレミ


先頭に b がついている楽譜のドレミ

このようなドレミの書き方を「移動ド読み」と言います。
難しい話は抜きにして、このようにドレミを書くと「シの音を半音下げて演奏する」などといった難しい話がほとんどぜんぶ消えてしまいます。

楽譜にドレミを書き終えたら、半音がどうとか考えずに、書いたとおりにデュエットオカリナで吹けばいいです。これで概ね正しく演奏できます。

楽譜の途中の b や # の音は自力で探す

楽譜の途中に b や # が書いてあることがあります。これは「そこから後はその音はいつも半音下げる・半音上げる」という意味です。理解できなければとにかく「楽譜の途中で b でも # でも何か記号の書いてある音には気をつけろ」とだけ覚えてください。

このような半音は「本当の半音」とでも言えばいいのでしょうか。どのように「移動ド読み」しても消えてくれません。このような半音はどうしょうもない。ああでもないこうでもないと、とにかく正しい音を探してください。どうせその付近の音に違いないのです。このへん、自分の耳だけが頼りです。他にも、デュエットオカリナで吹いてみて「?」と感じた箇所は、自分の耳を信じて、正しいと思う音を探しだしてください。

信じられないことですが、お金で買った楽譜でも間違っていることがあります。無料で配布している楽譜は日常茶飯事に間違っています。自分の耳を信じてください。

大切なのは楽譜を正しく読めることではありません。自分の知っている曲をデュエットオカリナで演奏できるようになることです。「結局最後のほうは楽譜見ないで吹いちゃった。途中に知らない記号が書いてあったけど、なんだったんだろう。」でもいいんです。勘違いしないように。

知っている曲について楽譜を見ながら演奏を覚える方法は、これで説明を終わります。
次からは、知っている曲を楽譜なしに覚える方法を説明します。

デュエットオカリナの吹き方、曲を覚える4

知っている曲を楽譜なしで覚えるには、オカリナの音と同じ高さで歌えることが重要です。
※ ここの話はすべてのデュエットオカリナで共通です。

知っている曲を楽譜なしで覚えよう

前回まで、自分の知っている曲について、楽譜を見ながらオカリナで覚えることを説明しました。楽譜にドレミを書きこむことができれば、後はなんとかオカリナで吹けるだろう、という話でしたが。

ここでもし楽譜がなければ、楽譜なしで覚えるしかありません。しかし、そもそも知っている曲なのですから、歌うことができるのですから、オカリナで吹けてもよさそうなものです。

お手本があればなんとかなるもの

みなさんはカラオケの新曲を覚えたことがあるでしょう。アーティストの歌声をお手本にして、そのとおりに少しずつ繰りかえし歌って覚えたと思います。これは、みなさんがごくふつうにやっていることです。

もしこれをオカリナでやろうとすると、オカリナは声のように自由になりませんから、覚えるのにずっと時間がかかるでしょう。曲を繰りかえし聴きながら、同じ音をオカリナで少しずつ探していきます。できないことではありません。

このとき、曲の高さとオカリナの音の高さがぴったり合っている、ということが重要です。

音の高さが合っていないとものすごく難しくなります。たとえば低い音の曲を、自分のオカリナの高い音に合わせて考え直して覚えるのはものすごく難しい。

オカリナの音の高さと同じ高さで歌えることが重要

自分の知っている曲をオカリナで覚えるのは、要はカラオケをお手本にするか、自分の声をお手本にするかの違いです。繰りかえし歌いながら、同じ音をオカリナで少しずつ探していきます。このとき自分の歌声の高さとオカリナの音の高さが合っていないと、わけがわからなくなります。

逆に言うと、オカリナの音の高さに合わせて歌うことができれば、後は何とかいけるものです。だからオカリナの音の高さに合わせて歌うことができるかどうかが、最重要課題です。

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知っている曲を楽譜なしで覚えるために、いろんな高さで歌う練習をします。
※ ここの話はすべてのデュエットオカリナで共通です。

きらきら星

知っている曲をオカリナと同じ高さで歌うことができれば、オカリナで覚えることができます。繰りかえし歌いながら、自分の声と同じ音をオカリナで少しずつ探していけばいいです。そのためにはオカリナと同じ高さで歌えること。まずはいろんな高さで歌う練習をしましょう。

きらきら星って知ってますよね。
「きーらーきーらーひーかーるぅー」というやつです。

  1. まず、きらきら星を適当に歌ってください、最初から最後まで。
  2. 最初の音「きぃー」を長くのばして歌ってみてください。
  3. そのまま少し声の高さを変えてください、高くするか低くするか。
  4. その、高くするか低くするかした音から、もう一度きらきら星を歌ってください。
  5. また最初の音「きぃー」を伸ばして、音の高さを変えて、歌ってください。
  6. 繰り返し…

» きらきら星をこんな感じに歌ってみます

これは相対音感を鍛える遊びです。
「毎日一時間練習する」などと意気込まずに、暇なときにゲーム感覚でやってみてください。

  • きらきら星が飽きたら、ぞうさんでもいいです。
  • 小学校で習った簡単な歌をかたっぱしから試してみてください。
  • 物足りなくなったら昨今のヒット曲にチャレンジしてみてください。

これだけできれば、オカリナの音の高さに合わせて歌うこともできるでしょう。

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知っている曲を楽譜なしで覚えるために、オカリナの音の高さに合わせて歌います。
※ ここの話はすべてのデュエットオカリナで共通です。

知っている曲をオカリナで覚える手順

知っている曲をオカリナの音の高さに合わせて歌うことができれば、オカリナで覚えることができます。繰りかえし歌いながら、自分の声と同じ音を一つずつオカリナで探していけばいいです。最初の出だしを見つけたら、案外あとは最後までずらずらっといってしまうものです。逆に、最初の出だしを見つけられるかどうかにかかっています。

  1. ド(あるいはラの音)を探す
  2. 曲の出だしの音をつきとめる
  3. 曲の出だしの音をオカリナで確認する
  4. オカリナの音の高さに合わせて歌う
  5. 自分の声と同じ音をオカリナで探していく

ド(あるいはラの音)を探す

音楽でド(あるいはラの音)は特に重要な音です。
長調の曲ではドの音が重要です。短調の曲ではラの音が重要です。これは曲のいちばん最後の音で決まります。小学校の音楽の時間に「最後が明るい感じで終わるのが長調の曲、悲しい感じで終わるのが短調の曲」って習ったでしょう。あの一生役立つことはないだろうと思われたトリビアを、今こそ使います。

覚えたい歌を最後まで歌います。
最後の音(たいてい「ラララーー」と長くのばして終わる音)これがド(あるいはラ)の音です。
明るい雰囲気、さい先がいい感じ、ほっとする感じ → たぶんドの音
暗い雰囲気、雨でも降りそうな感じ、深刻ぶった感じ → たぶんラの音

最近の難しい曲だと他の音で終わることもありますけど。基本はこれでド(あるいはラ)の音を見つけることができます。難しいと思いますが、何度もやって慣れてくると、曲の途中でも見つけることができるようになりますから。最初は簡単な曲で試してみるといいです。

曲の出だしの音をつきとめる

曲の最後の音がド(あるいはラの音)だと分かりました。
次は曲の出だしの音がなにか、つきとめます。

覚えたい歌を最後まで歌います。
最後の音がド(あるいはラ)の音でした。
その音に続けて「ドレミファソラシドー」(あるいは「ラシドードレミファソラシドー」)と歌ってみてください。
歌いながら、よく覚えてください。
もう一度、覚えたい曲を頭から歌います。はい、その出だしの音を長く伸ばしてみてください。
その出だしの音は「ドレミファソラシド」のどれですか?
分からないならドレミファソラシドと出だしの音を辛抱強く交互に歌ってつきとめます。

ヒントを言いましょうか。
長調の曲の場合「ド」「ソ」の音からはじまる確率が高いです。短調の曲の場合は「ラ」「ミ」です。最近の難しい曲には必ずしも当てはまりませんけど。

曲の出だしの音をオカリナで確認する

曲の出だしの音がなにかつきとめたら、その音をオカリナで吹いてみます。これは簡単でしょう。曲の出だしの音が「低いソ」だったら、そのままオカリナで低いソの音を吹けばいいです。「ド」でも「ラ」でも同じです。

オカリナの音に合わせて歌う

今鳴らしたオカリナの音が、曲の出だしの音です。
(この音が出だしの音、この音が出だしの音…)と自分に言い聞かせてください。なんだかそんな気がしてきたら、その音の高さにずらして歌ってみてください。できましたか。できたらおめでとう。これで覚えたい曲をオカリナの音と同じ高さで歌えるようになりました。

あとは繰りかえし歌いながら、自分の声と同じ音を一つずつオカリナで探していけばいいです。最初の出だしを見つけたら、案外あとは最後までずらずらっといってしまうものです。

» 「赤とんぼ」をオカリナで覚えるならこんな感じで

いよいよ一人合奏に挑戦

以上、知っている曲について楽譜を見ずにオカリナで覚える方法を説明しました。
そしてデュエットオカリナをふつうのオカリナのように単音で吹く説明も、これで終わりです。

ここまできて、デュエットオカリナをふつうのオカリナのように単音で吹けるようになった人は、ぜひ一人合奏にチャレンジしてください。(そのためにデュエットオカリナを手に入れたはず。)